筋肉痛が来ない=効いていないは嘘?
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2025 / 12 / 12
最終更新日:2025年12月12日
筋トレをしていると誰もが一度は感じる疑問――
「あれ?筋肉痛が来てない…今日のトレーニング効いてなかった?」
SNSでも「筋肉痛やばい=頑張った証拠!」という投稿をよく目にしますよね。
しかしながら、その考え方は 半分正しくて、半分まったくの誤解 です。
結論から言うと、筋肉痛が来ない=効いていないは“完全に誤り”です。
では、なぜ筋肉痛が来ないのか?
筋肉痛の有無はどんな意味を持つのか?
効率よく成長するためには何を指標にすべきなのか?
この記事では、トレーナー視点×科学的根拠をもとに分かりやすく解説します。
Contents
筋肉痛が来ない=効いていないは嘘「先に結論」

まず最初に一番大事な話。
筋肉痛と筋肥大(筋成長)には直接的な相関はありません。
つまり、以下の状態はどちらも“普通”に起こります。
• 筋肉痛がなくても筋肉は成長する
• 筋肉痛があっても成長しない場合はある
筋肉痛とは「筋繊維の損傷による炎症反応」。
一方、筋肥大は「負荷・刺激・回復・栄養」の総合プロセス。
この両者は似ているように見えて、実は別の仕組みで動いています。
なぜ筋肉痛=効いていると思ってしまうのか?
筋肉痛はトレーニング後にすぐ感じられる“わかりやすい変化”なので、どうしても
「筋肉痛がある → 効いてる
筋肉痛がない → 効いてない」
と感じやすいんですね。
しかし、これは感覚ベースの話で、科学的には全く別物です。
筋肉痛の正体とは?「メカニズムを理解しよう」
①筋繊維の微細な損傷
トレーニングによって筋繊維に細かなダメージが入り、炎症反応が起こることで痛みが発生します。
②普段使わない動きへの適応
初めての種目や負荷に対して筋肉が驚き、反応として痛みを出すことがあります。
③伸ばされながら力を出す動作が多い
エキセントリック(ネガティブ動作)は筋肉痛を起こしやすい。
例
・スクワットのしゃがむ動作
・ベンチプレス の下ろす動作
・懸垂のゆっくり降りる動作
④単純に刺激が強かった場合
高重量・高ボリューム・高強度など。
筋肉痛が来なくても筋肉が成長する理由
では、筋肉痛がないときでも成長するのはなぜか?
答えは簡単で、筋肉に必要なのは「損傷」ではなく「刺激」だからです。
①筋肥大の3大メカニズム
筋肥大は主に以下で決まります。
・メカニカルテンション(負荷刺激)
・筋ダメージ(損傷)
・代謝ストレス(パンプ感)
実は筋肥大に影響が大きいのは”メカニカルテンション”。
つまり「適切な重量でしっかり動く」これさえ守れば、筋肉痛があってもなくても成長します。
②フォームが安定すると筋肉痛が起きにくい
・フォームが良くなる
・無駄な力が抜ける
・筋肉の使い方が上手くなる
・ターゲットの筋肉に集中して使える
結果として、筋肉痛が起きにくくなる=効果が良くなっている証拠。
③筋肉痛が強い=回復が遅い=成長が遅い
実は筋肉痛が強いほど良いわけではありません。
・深刻な筋肉痛
・動けないほどの痛み
・2〜4日続く痛み
これらは回復に時間がかかり、結果的に
・トレーニング頻度が減る
・ボリュームが落ちる
・パフォーマンスが下がる
長期的には筋肉の成長が遅くなる可能性があります。
筋肉痛が来ない日でも効いているサイン
筋肉痛の有無よりも、以下の変化の方が100倍大事です。
①対象筋に効いている感覚がある
いわゆる”効かせる”感覚があればOK。
②重量が伸びている
1kgでも伸びていたら筋肉は強くなっている。
③回数が増えている
例:前回10回→今回12回
立派な成長です。
④パンプ感がある
筋肉が張る・熱くなる・動きにくくなる…これは刺激が入っている証拠。
⑤可動域が広がった
質の高い動きは筋肥大に直結します。
逆に「筋肉痛」を求めすぎると危険

筋肉痛だけを指標にすると、身体に負担が大きく逆効果になる可能性があります。
①オーバートレーニングにつながる
筋肉痛を求めるあまり
・やりすぎ
・高重量連発
・休まない
→怪我の元。
②関節痛が起こる
筋肉ではなく関節に痛みが来るのはNG。
これは間違ったフォームのサイン。
③トレーニング頻度が減り、総重量が減る
筋肉痛がひどい→週1しかできない
これは非常にもったいない。
筋肥大に必要なのは「漸進性負荷」
筋肉痛よりも何より大事なのが漸進性過負荷(Progressive Overload)。
つまり
・ 少しずつ負荷を増やす
・ 少しずつ強くなる
・ 前回より1ミリ成長する
これこそが筋肉を大きくする最強の方法。
漸進性過負荷の具体例
• 重量を 2kg 増やす
• 回数を 1〜3 回増やす
• セット数を 1 セット足す
• 休憩時間を少し短くする
• 可動域を広くする
• フォームを丁寧にする
どれか1つでも達成できればOK。
筋肉痛の有無に惑わされないため
①初心者は筋肉痛がきやすい
初期は”刺激に慣れていない”ので痛みやすい。
しかし、これは正常です。
③上級者は意図的に筋肉痛を調整する
筋肉痛を“出したい筋肉だけ出す”というコントロールが可能になります。
④筋肉痛が欲しいときのテクニック
記事のニーズ的にこれも載せておきます。
• エキセントリックを強調する
• 可動域を広く取る
• 新しい種目を入れる
• ボリュームをいつもより増やす
• 低重量高回数で追い込む
ただし、常にやる必要はありません。
筋肉痛が来ない=効いていないは嘘
最後にこの記事のまとめです。
筋肉痛は成長の絶対条件ではない
・来ても来なくても筋肉は成長する。
・痛みは”刺激の質”を示さない
大切なのは筋肉痛ではなく「成長指標」
・重量が伸びている
・回数が増えている
・フォームが安定
・パンプ感がある
・可動域が広がる
これらがあれば確実に前進。
筋肉に振り回されるのは逆効果
・回復が遅れる
・トレ頻度が減る
・怪我の原因
→長期的成長を妨げる
最終結論
・筋肉痛が来ないトレーニングの日でも、筋肉は確実に成長している。
・筋肉痛は”感じるかどうか”より”正しく成長できているか”が重要。
ここまで筋肉痛の仕組みや重要性についてお伝えしてきましたが、ここからは 「実際にどう行動すれば筋肉痛に惑わされず、効率よく成長できるのか?」 という視点で、さらに深掘りしていきます。
筋トレを継続する中で、誰もが一度は
「今日は筋肉痛ないけど大丈夫かな?」
「このメニューで成長できてるのかな?」
と不安を感じるものです。
しかし、筋肉の変化は日々の「小さな積み重ね」で決まるため、毎回の筋肉痛の有無で一喜一憂する必要はありません。
成長し続けられる“正しいトレーニング設計”

筋肉痛に頼らず、確実に前進していくためには トレーニング設計が非常に重要 です。
といっても難しいことをする必要はなく、以下の3つを意識するだけでOKです。
①狙う筋肉を明確にして、種目を固定する
毎回違う種目を行うと刺激が散り、成長につながりにくくなります。
基本は
• 大胸筋なら「ベンチプレス」「ダンベルプレス」
• 背中なら「懸垂」「ラットプル」
• 脚なら「スクワット」「ブルガリアンスクワット」
といった“定番種目”を軸に組むことで安定した刺激を得られます。
これは「筋肉痛が来ない=効いてない」という誤解を防ぐ大事なポイント。
固定したメニューは効きの比較もしやすく、成長具合も測りやすくなります。
②前回の自分より、1ミリだけ強くなる
筋肥大の基本である 漸進性過負荷 は、「前回より少しだけ負荷を上げる」というシンプルな原則。
これは以下どれでもOKです。
• 重量を1〜2kg上げる
• 回数を1〜2回増やす
• セット数を1つ増やす
• 休憩時間を10秒短くする
• フォームの質を上げる
どれか1つだけ達成できれば、筋肉は確実に強くなっています。
筋肉痛がなくても、こうした小さな前進こそが本当の成長の証です。
③「効いている感覚」を重視する
筋肉痛ではなく、トレーニング中の“感覚”にフォーカスすることで、トレーニングの質は一気に上がります。
・目的の筋肉が張ってくる
・ 動きがスムーズになる
・ ターゲット筋が燃えるように熱くなる
・集中してフォームを維持できる
これらが感じられれば、筋肉痛がなくても十分すぎるほど刺激が入っています。
逆に、筋肉痛だけ求めて重量を上げすぎたり、フォームが崩れたりすれば、関節痛やケガのリスクが高まり逆効果です。
筋肉痛がある日の行動と、ない日の捉え方
筋肉痛の有無で迷ったときの判断基準をまとめました。
筋肉痛がある日
・その部位のトレーニングは控える
・軽めの血流改善(ストレッチ・軽い有酸素)はOK
・無理に高重量を扱わない
・栄養と睡眠をしっかり取る
筋肉痛は“回復途中のサイン”なので、焦らず回復を優先することが次の成長につながります。
筋肉痛がない日
• 正常。何も問題なし!
• むしろ身体がトレーニングに適応してきた証拠
• 前回のメニューから1つだけ負荷をプラスする
• フォームを丁寧に意識する
筋肉痛がなくても、刺激が入っていれば筋肉は十分成長します。
筋肉痛は“ただの反応”、成長の指標ではない
筋肉痛が来るか来ないかは、あくまで身体の反応のひとつであり、成長の指標ではありません。
本当に大切なのは「筋肉痛の有無」ではなく「前回より少し強くなれているか?」というシンプルな視点です。
筋肉痛に振り回されず、淡々と積み重ねる人こそ、最も早く、最も効率よく成長していきます。
良くある質問
筋肉痛が来ない日はトレーニングを休んだ方がいいですか?
休む必要はありません。筋肉痛の有無より、フォームや負荷、動作の質が重要です。成長のサイン(重量・回数・安定性)があれば継続でOKです。
全く筋肉痛が来なくなったのですが、成長が止まっていますか?
成長が止まったとは限りません。身体が刺激に適応している証拠で、むしろトレーニングスキルが上がっている可能性があります。記録が伸びていれば問題ありません。
筋肉痛がないと筋肥大しませんか?
いいえ、筋肥大の主因は「メカニカルテンション(筋肉にかかる張力)」です。筋肉痛は必須条件ではありません。
本日の著者

○名前 糸井 元哉 (いとい もとや)
○趣味:都内のお洒落カフェ巡り
○実績
2024 APF GUARDNER BELT CUP クラシックサーフ部門 3位
店舗詳細

- パーソナルジムBEYOND 溝の口店
- 神奈川県川崎市高津区溝口2-14-31 MSメディカルビル6A
- 営業時間 8:00~23:00
- 電話番号 044-811-0810
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